人間が本来持っている自然な学び方、学ぶメカニズムを意識し、それらを自然な形で伸ばしていく「ラーニング・ファシリテーション」をベースに、子育てを行うことを提案するPodcast、ニュースレター配信、コミュニティです。

ラーニング・ファシリテーションとは?
人間が本来持っている自然な学習方法、学習メカニズムに沿って、「教え込む」のではなく、「自ら学ぶ環境」を作り、探求して学ぶことを手伝うための知識、スキル、考え方です。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください
また、多くのオルタナティブ教育に携わる方々には、「今まで理念としてやってきたことが、科学的な言葉で説明され、体系化されている」と感じると思います。
なぜ、子育てに良いのか?
大きく分けて3つの理由があります。
(1) 学ぶ力を育む
多くの親は、子供のためを思って「オーバー・ティーチング」をする傾向があります。近年は、さまざまな教育ノウハウが開発され、簡単に手に入ります。また、多くの教員も、子供たちのためと思い「教えすぎ」ます。
たとえば、算数も昔に比べ、細分化が進み、計算を間違わないような手順が考案され、これらを教えます。
一見、効率的に見え、子供たちのためのように見えますが、実際は「教えすぎ」で、子供たちが自分で考える暇がありません。
たとえば、「なぜ、通分するんだろう?」と自然に疑問が浮かんでも、それについて考える時間はありません。細かく作られた手順を繰り返し、覚えさせます。
このような繰り返しによって、「やり方を繰り返して、覚える」ことを勉強だと思うようになります。
このような教育では、教えられた以上を、自ら学ぶのは難しいです。さらに、その先にある「学ぶ方法を自分で探求し、洗練させながら学ぶ」ことは、さらに難しくなります。
一方、ラーニング・ファシリテーションを子育てに活かすと、環境を整え、子供たちの話に耳を傾け、彼らが考え、仮説を立て、検証することを手助けすることになります。その結果、教えられるのではなく、自分でさまざまな情報、知識、見本を探し自分で実験、体験、試行錯誤して学ぶようになります。
(2) 親も成長する
ラーニング・ファシリテーションは、単なる質問スキルではありません。学習のメカニズムを知って、学習が発生する条件を理解するという最新の科学に基づく体系的な知識とスキルです。
また、スキル、知識だけではなく、ラーニング・ファシリテーションは「生き方」に関わります。より良いラーニング・ファシリテーションを行うには、大人の発達理論などで指摘されている、親自らが「発達の階段」を上ることが必要です。
ラーニング・ファシリテーションの姿勢、考え方、パラダイムを学ぶことで、親として、人間として成長していくことができます。それは、とても楽しく、発見に満ちたものになります。
親が「ラーニング」すれば、子供はその背中を見て育ちます。
(3) 子育てが楽しいものになる
子育ては大変です。毎日の家事も大変です。しかし、子供たちが自立するまでは、15年近くでしょう。高校生になれば、子供たちは「友達や、外部のコミュニティ」で過ごす時間が増えていき、親離れをしていきます。
子供と過ごす時間は、長いようで、あっという間に終わります。そして、子供ではなく、一人の人間として、友達としての付き合いが始まります。
子供と一緒に成長し、供に過ごす貴重な時間を「教えすぎる親」「押し付ける親」ではなく、楽しく、学び、発見の時間にすることが、ラーニング・ファシリテーションで可能だと考えています。